地下街の人びと/ジャック・ケルアック著・真崎義博 訳
a0016447_1327770.jpg因習的なアメリカ文明・物質的文化に嫌気がさした若者たちが、ドラッグ、フリー・セックス、放浪、東洋思想への接近などに傾倒し、カウンターカルチャーとして生まれた流れ、ビート・ジェネレーション。
その代表的作家としても名高い、ジャック・ケルアックの3番目にあたる作品が、
原題『THE SUBTERRANEANS』(1958)のこの作品です。

おおまかなストーリーをざっと説明すると、
31歳の作家の主人公レオと、22歳のネイティブと黒人の混血女マードゥの、短く儚い恋愛物語。
特筆すべきはやはりその文体のスタイルです。
ダッシュを多用し、意識の流れてゆくさまを
そのまま生のままフィルムに焼き付けたような印象を受けます。
ゆえに私たちは、言葉足らずの自己完結的な友人Aの状況説明を聞いた時のように、
時間の枷を外れて、極めて個人的なカテゴリでくくられた糸を辿って
読み進んでゆくことになるのですが、
節々で鳴り響く印象は、決してビート世代特有の風景ではなく、
私たちにも感じることのできるあの痛みであったり哀しみであったりします。
そこには永遠に繰り返されるであろう、
愛の普遍と偏執の不躾な形が存在している気がしました。
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by naho929 | 2004-08-10 13:27 |
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