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幽霊たち/ポール・オースター
a0016447_31740.jpgついこの間、銀座のメゾンエルメスで、
ポール・オースター/幽霊たち展とかいうのをやっていました。
『スモーク』という映画が好きでオースターを知っていた私は、
ラジオでその情報を聞いた時に、
「絶対見にいくぞ!でもその前に『幽霊たち』を読むぞ!」
と思っていたのですが、
結局個展には行けないまま、小説だけを堪能するかたちになりました。
ちなみにエドワード・ゴーリーの訳者である、
柴田元幸氏が翻訳をしているというのもあって、
すらすらと快読できました。
タイトルを一見すると、まるでホラー小説のように思えたりしますが、
そうではありません。
一般的な認知による「幽霊」という存在は、
この物語には一体も出てきません。
出て来るのは、自分のアイデンテティを失いかけた、
生命と実体を持った「幽霊」たち。
アイデンテティを失えば、
人は例え生命を持っていても、正体を無くせるのです。
アイデンテティを追求することは、誰にとってもライフワークとなり得ますが、
快楽と惰性の混沌の渦中にいると、
それを疑うことすらしなくなってしまうのでしょう。
そんな人生はつまらないと私は考えます。
ヴィトンのバックに一体何のアイデンテティがあるのか、
私にはまったく理解できないのです。
by naho929 | 2004-05-29 03:18 |
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