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小猫をお願い [★★★☆☆]
子猫をお願い★★★★★

韓国では結構高い評価を受けているらしい、2001年、チョン・ジェウン監督の処女作です。コメントは以下の通り。

ここ数年、日本公開が飛躍的に増えている韓国映画の中で、女性たちの青春群像をとらえた希有な作品である。「猟奇的な彼女」のヒロインはコミカルで誇張されて描かれているのに対して、本当に〈等身大〉といえる女の子が登場する「子猫をお願い」は、韓国の上映終了後、映画を観た観客の口コミや批評家の評価からアンコール公開が実現。その結果、その年の<韓国女性が選ぶ最高の韓国映画第1位>(第2位は「猟奇的な彼女」)に選出され、批評家からは「2001年の韓国映画の最大の収穫!」と大絶賛された。

a0016447_18492222.jpgさてストーリーですが、
ソウルから電車で1時間ほどの近郊都市、仁川〈インチョン〉の女子商業高校を卒業して1年、もうすぐ20歳になろうという、大人と非大人の境の微妙な時間を生きる、5人の少女の物語です。
私も女子高出身者なので、冒頭のカメラを片手にはしゃぎまくるシーンで、
スクリーンの向こうの、数年前の自身の影にフォーカスを合わせてしまったのは言うまでもありません。
ゆえにやっぱり、自分の高校時代からのリアルな関係と比較してしまうのか、
取るに足らない細かいズレが敏感に気になってしまったように感じました。



でもそこにあるのは、痛々しいモラトリアムのレア(生という意味で)な形で、
時間と共に遠ざかってしまうことを避けられない残酷さが全編を貫いており、
それはどんなフィルタにも濾過されることなく、観客の意識に届くと思います。
そう、この映画の主旨は、実像を「とらえること」であり、
そのあと「どう料理して美味しく食べるか」は問題ではないのです。
テヒの主体性の無い様子には
「人間は自由の刑に処せられている」
というサルトルの言葉をぼんやりと思い出しました。

あと特筆すべきは、携帯やメール等を、
脚色としてだけでなく、映像的にもうまく取り込んでいるところです。
彼女らがメールする様子に、液晶の入力文字がリアルタイムにかぶさって、
非常に効果的な映像になっていたと思います。

最後にふいに、自分にとって良い映画とはどんな映画なのか、考えてみました。
そうして思いついたのは、1つでも琴線に触れるものが内包されていたかどうか。
それは悲しみから得られるアピールでも、喜びから得られるアピールでも、
愚かさから得られるアピールでも、何でも良いのです。
琴線に触れるということは、自分にとって有益な何かを感じ取れたということで、
私は映画に何かを期待しているのかもしれないな、と思いました。
そういう意味ではこの映画は、私にとってはやや
ひっかかりが細い印象に感じられました。
by naho929 | 2004-08-11 19:16 | 映画・演劇
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